ガオル戦記

ガオルとは、山形弁で弱る・疲れきるという意味
自転車であちこち走り、七転八倒する様を書いていきます

BRM111R東京200曽我梅林

BRM111R東京200曽我梅林 行ってきた。


このブルベは去年も参加しており、梅と海と大都会とグルメ、見どころ食べどころいっぱいの観光コースだ。

自分のスタート時間は6時。前泊して余裕たっぷりにスタート地点である川崎市民ミュージアムに向かう。


この時は上空の寒気団が降りてきており、首都圏にしては寒い日と予想されていた。

確かに寒い。温度計は0度を示していた。


5時半スタートの人達がブリーフィングを行っていたが皆そろって寒そうに足踏みしているので、何かの体操をしているみたいで可笑しかった。


5時半発のよっしーさんとスタッフとして奮闘中のばっきーさんにご挨拶。

そしていつもツイッターで遊んでもらっているPIPIさんを探すが暗くてわからない。


6時スタートのブリーフィングの時後ろにいた男女の方が途中のグルメについて楽しそうに話していた。

グルメ?

これは、もしかしてと振り返ったらビンゴ!

PIPIさんだった。


いつも遊んでもらっているお礼を兼ねてご挨拶。


わざわざ山形くんだりから遠征しても知っている方がいるのは本当に嬉しいし、心強い。


さてブリーフィングも終わったがスタートまで20分くらいある。

これは車で来ている者の特権で、暖かい空間でうとうと。


はっと気づくと

「6時スタートの人で車検まだの方いらっしゃいませんかー?」

スタッフの方が大声で叫んでる。


しまった、寝過ごした。

慌てて車検を受けて飛び出るも、スタート1kmでミスコース、焦りながら500mほど戻る。

ブルベ初心者ぽい人が後ろについてきてしまい申し訳なかった。


大通りに出てしばらく走ったところでGPSとサイコンの全データをクリアしていないのに気づき大ショック。

以降、走行距離を知るのに一々足し算をしなければならなくなってしまう。


そして30分ほどでトイレに行きたくなり、とても68km先のPC1まで持ちそうもなく、緊急コンビニ。


さあ今度こそ頑張るぞと思ったがまたミスコース。

おまけにまた同じ初心者さんがいつのまにか付いて来ており、本当にすまなかった。


彼は、それからは警戒して50mほど距離をおくようになったので、よほど懲りたのだろう。


その頃自分は後ろの初心者さんどころではなく、今トイレ休憩したばっかりなのに、今度は重量物の軽量化について思いを馳せるようになっていた。

考えないようにするのだが、寒いはずなのに額に脂汗が浮かんでくる。


目の前に星がチカチカしだしたので、人間の尊厳を失う前にまたコンビニ休憩。

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すっきりして再び走りだすと、6時半スタートの人達に追いつかれてしまった。

ちきしょーと思い、貧脚を棚に上げ快速トレインの最後尾にへばりつく。


速い!速い!

平地で35kmぐらい出てる。

でも軽量化のお陰か、おもったより脚が回る。

このまま私をPC1までつれてって♥

と調子の良いことを思っていたのだが、なんと驚いたことにまたトイレに行きたくなってしまい、痛恨の離脱。


老人性頻尿症だから、しょうがないのよね~、年取ると。


うるさいよ、優子。


信号峠とミスコース峠、おまけにトイレ峠に苦しめられPC1の小田原曽我梅林ミニストップに着いた時はクローズ30分前という危なさ。


ランドヌール誌の田村編集長が取材をしていたのでご挨拶。

今日の取材スタッフは男ばかり。美人スタッフの方はいらっしゃらなくて残念。


去年より1ヶ月早いから梅も咲いていない。

お義理に写真1枚を撮ってちゃっちゃとスタート。
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・・・・・・・。

・・・・・・・。


・・・・・・・。


なによ?どうしたの、黙って?


うん、それがここからあまり記憶がないんだ。

それに写真もない。


なにそれ?


いやホント、治りかけの風邪が悪化したみたいで咳が出る出る苦しいし、顔が妙に火照って時折嫌な寒気がしてさ。


でた!得意の言い訳!


ほんとうなんだってば!

だから負荷かけないようにイーブンペースを守って走ったんだ。

苦しいし、楽しくないし、うつむいて灰色のアスファルトが過ぎるのをひたすら見ながら走ったのさ。


本当に何も覚えてないの?


断片的な記憶はあるんだけどさ。

たとえば夕暮れの湘南国際村の坂をひいこら登っている時、ジョギングの人二人に抜かされた光景とか。

そのうちの一人は明らかに爺さんで、抜かす時「ふっ」て笑いやがったんだ。


格好悪いったら。

じゃあ、グルメはしなかったの?


あさりのスープスパゲッティ食べた。


へぇ随分洒落たもの食べたのね。

どこで?鎌倉あたりの有名なイタリアン?


うんにゃ、逗子のファミマ。


コンビニかよ!

グルメもしないで結局何時に着いたの?


えーとたぶん18時半頃だと思う。


うわあ、12時間半だ!

年とともに段々遅くなるね~。


だって体調悪いし、スタート時の集中力のなさを考えると事故なくフィニッシュするのが第一目的で、とてもタイムとかを考える状況じゃなかったんだ。


ふ~ん、まあ完走を重ねることにも一定の意義はあるけど、それにしてもねぇ。


遅すぎるというのかい?


遅すぎるでしょ!


そうか、遅すぎるか。

ふぅむ、これはいっちょ努力なるものでもしてみるか?


無理だよー。

今までの人生で楽なことしかしてこなかったんだから、今さら努力なんて (笑


よーし、言ったな、みておれ!

俺は変わってやる!!


じゃ、まず最初に体重増やすの止めたら?

今年になってからもうすでに1kgも増えてるのよ。

遅い速い言う前に、その腹なんとかしなさいっ!


ぐむむむむむ。



BRM104静岡200いちご

・・・・・・・・・


えっ?

な〜に?

聞こえないってば!


あけましておめでとうございます。


い~まごろ、何言ってんだか。

今日はいったい何日だと思ってるのっ?
 

それで、なによ?


・・・・・・・


ふ~ん、わざとやってる?


いや、あの、BRM104静岡200いちご行ってきました。

 

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なにオドオドしてるの?

10時間台で走るって勇んでスタートしたんでしょ?


いや、あの渋滞が・・・

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ほぅ、渋滞で遅くなったの?


いや、あの前日の渋滞が・・・

あの用賀から御殿場までの100kmで6時間もかかったから・・・


ほんと酷い渋滞だったわね、あなたの自転車と同じスピードよね。


ぐむむむ。

でも本当に疲れちゃったんだ。

山形朝4時半に出て掛川のホテルについたの夕方の6時じゃ疲れるって。


それから?


うっ、去年のXマスの頃からひいていた風邪がまだ治らず心肺が苦しくって・・・


で?

その醜く波打っているお腹も邪魔だったんじゃなくって?

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うううう。

こんなに優しいコースで風もなく暖かい一日だったのに

12時間8分もかかった言い訳はもうおしまい?

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ぐぐぐぐ。


結局平均時速16km/h台ということは、なんて言い訳しようとも、これがあなたの実力ということじゃない?
 

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そんなことないさ、次こそは。


無理、無理ぃぃぃ!

100km6時間というのが貴方の実力なの!

去年の北海道600は、花ちゃんとかY田さんのお陰で偶然完走できたけど、今年1000kmとか1200kmとか挑戦するの止めたら?
 

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いや、でも、来年、ふ、フランス行きたいし・・・


それ、それ、撤回するのは今のうちよ。
 

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いや、まだ、もうちょっと、頑張ってみたい。


もうさ、悪いけど年齢的に成長する余地がないんだってば。

どんなに努力しても現状維持が精一杯のお年なんだからっ。
 

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優子ぉ、そんな、悲しいこと、言うなよぉぉ。
 


 


確かに優子の言うことが正しいのかもしれません。

それでも実力は全然違うレベルですが同じ目標を持った方ともお知り合いになれたし、仕事以外に刺激がある生活は楽しいので、年甲斐もなくと周りからもあきられながらも、もうちょっと頑張ってみます。


でも、ほんと、もうちょっと速く走れないと寝る時間がとれないよ~ 泣







野望のクリスマス

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優子ぉ!メリーぃぃぃクリスマスぅぅぅ!


・・・なにそのテンション?


優子ぉ、今年もいよいよ残り1週間だよぉぉぉ。


お願いだからそのぅぅぅとかぉぉぉとか言うのやめてっ。

ブログ、久しぶりね。

半年ぶりかしら?


うっ、そうかな・・・。


まだこのブログ続けるの?

もうとっくに止めたのかと思ってた。

iwanさんとあなた、GOKISO二人が消え去ったと巷では噂されていたのよ。


げっ!それ本当?

だって、なんかね、当初の目標「北海道600km」を完走してSRを取ったら気が抜けちゃってさ。

もうこんな駄文を書かないで済むかと思うとホッとしていたとこなんだ。


そう言えば、よくSR取れたね~。
たとえ楽ちんなコースだけを選んだとはいえ、ツイてたね~。


なんだよその言い方!

ちゃ~んと色々考えて計画練って、体調加味しながら努力に努力を重ねて勝ち取った栄光なんだぜ、それをまるでズルとツキで達成したみたいに言うな!


はいはい、お年のわりには偉かったわね、認めてあげるわ。


お年言うな!!


ところで、何、どうしてまたブログ始めたの?


うん、それが、あの、・・・。


なに?聞こえない?はっきり言いなさいよ!


・・・・。


聞こえないってば!


PBP行きたい・・・・。

 pbp-course






じぇじぇじぇじぇじぇ~


優子ぉ古いよ~ (^_^;)


まだ今年のうちはいいのっ。

私の聞き違いでなければ、今「PBP」とか言わなかった?


うん、言った。


あの世界中のランドヌール達の憧れであり目標でもあるパリ・ブレスト・パリ
1,200kmブルベのこと?


うん。

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うわーお!

また年甲斐もなく大きく出たわね!


年のことは言うなってば!

だって、何か目標がないと怠けてしまって駄目なんだ。


そう言えば・・・


なんだよ・


今気づいたんだけど、太った?


そ、そうかな?


そうかなじゃないわよっ!

で、何キロ太ったの?


ろ、ろっきろ・・・。


うわあ、北海道から帰ってから6kgも?


だからこそ2015年PBP出場を目指して、また新な気持ちで来年から頑張りたいんだ。



へぇぇぇ、まあ言うだけタダだからさ、やってみれば?

でもさあ、先月ぐらいから自転車乗ってないんじゃない?


え、あ、そうだったかな?


あなたみたいに絶対に努力できない怠け者には無理だと思うよ~。

みんなこの寒い中走ったり、家の中でもローラー台で汗流してるのよ?


だから来年からまた努力するんだってば。



あっ、嫌な予感がする。

ということは?


そう来年は年初から今年以上に遠征して走りたいんだ。


あああああ、いつのまにか、もうこんなにエントリーしてる!


[ 2014年 ブルベ予定 ]


BRM104静岡200いちご
 

BRM111R東京200曽我梅林
 

BRM126宇都宮200牛久
 

BRM208R東京300沖縄
 

BRM302宇都宮200茂木
 


へへへ~。


へへへじゃないわよ!

これ沖縄以外みんな私と行くんでしょ?


もちろん。

その他にもエントリー出来ればBRM222R東京300相模湾も出たいんだ。


いやっ!行かない!


優子ちゃん、そんなこと言わないで、頑張ろ?


い・や・だ!

ねえ、私、もう、17万キロも走ってるんだよ?

疲れるからいやよー。


僕だって疲れるのに頑張るんだ!


なに、それ、自分勝手な言い草!

知らないから!


 


ああ、ついに言っちゃいました。

そうなんです。
来年から2015パリ・ブレスト・パリ目標にまた新に頑張ることにしました。
 

優子のいうとおり無謀なことは重々承知しておりますが、まあ、挑戦してみようかなと。
 

ということで来年もよたよたギリギリ隊であちこち走ると思うので、どうかみなさんよろしくお願いします。











BRM803大雪と花ちゃん その4完

花ちゃんがまったく見えないほど遅れている!

僕だけ止まって花ちゃんを待つ。

10秒・30秒・1分・・・


2分ほどしてやっと花ちゃんがやってきた。

随分やられた表情をしている。


気分が悪いので丸瀬布の道の駅で休んでいくとのこと。

休んだ後、DNFするか先へ進むか考えるとのこと。

だから僕には先に進んで欲しいとのこと。


これを聞いて観念した。

残念だけど花ちゃんの挑戦はここで終わったと思った。


出来れば無理をせず丸瀬布でゆっくり休んで今の道を下って遠軽の駅から輪行して欲しい。

疲れた頭と体で先へ進んで、熱中症とか事故に会わないで欲しいと思った。


今度は僕が怖い顔をする番だ。


ブルベは自己責任だからね。自分で自己管理して下さい。いいね、出来るね!


無理しないでDNFするんだよ。という意味だった。

だって現在の段階で貯金は0に近い。これから700m以上登らなくてはならない。

最後は8kmで480m登る今回屈指の厳しい峠が待っている。

絶対に今から休んでいちゃあ無理だ。

それどころか自分も危ない。


花ちゃんは神妙な顔をして頷いた。

その頷きを見て自分は見をひるがえした。

北見峠そしてその先のゴール目指してまっしぐらに進んだ。


花ちゃんを残して。


進むのはいいが、Y田さんメイン集団とは随分差がついてしまったらしい。

メイン集団に追いつかなければ完走は難しい。


現に暑さのためかサーマル現象が起き、結構な向かい風になっている。

今まで風よけでトレインを利用することを考えてこなかったが今回は切望した。

花ちゃんを置いてきた以上、なんとしても完走したかった。

Sさんの広い背中が恋しかった。

幸い、陸別からゆっくりペースが続いていたので脚が復活してきている。

ダンシングを多用して集団を追う。


脚が終わってもそれはしょうがない。

集団に追いつけなければ同じ事だ。


花ちゃんが休むと言っていた丸瀬布の道の駅あたりで集団に追いついた。

Y田さんに花ちゃんのことを報告して、最後尾につかせてもらった。


集団に追いついて楽になってくると同時にまた自問自答が始まった。


一蓮托生のはずだったんじゃねーのか?

笑わせるぜ。

あの変わり身の早さはさすがだね。

これで自分だけ完走出来る可能性が高まったね。

だけど本当にそれでいいのか?


意地悪な自分の分身がするどく問い詰めてくるが、追い払った。

今回初めて完走に対する欲が出てきた。

なんとしても完走したかった。

だから、もう花ちゃんのことを考えるのはやめた。


もう終わったことだから。


北見峠への道は予想どうり厳しかった。

それに暑さが加わり集団のペースも落ち気味だ。


それに今度はchikaさんが暑さのため体調を崩してしまった。

Sさんがつき、集団はふた手に別れて進む。


6%の傾斜になってからbongoさんとHさんが先行するようになった。

自分はあくまもY田さんにつく。

Y田さんの頭脳とスキルに感服しているからだ。

この人に付いて行けば間違いがない。


ほぼ寝ないで400km走り続けた後の北見峠。

6%で8kmそして灼熱地獄。

本当に厳しい戦いだ。


峠頂上から3kmほど前のトンネルでY田さんが休憩する。

bonngoさんとHさんはもう頂上に付いている頃だろう。

休んだのはたぶん、chikaさんとSさんを心配してのことだろう。


10分ぐらいでchikaさんとSさんがやってきた。

あれだけ登りが強かったchikaさんも暑さにやられ苦しそうだ。


二人の到着を見届けてY田さんと自分も出発する。

我々が最後尾だと思っていたのだが、この北見峠がよっぽど過酷だったのか他の参加者も見かけるようになってきた。

みんな苦しそうだ。


果てしなき戦いもいつか終わりの時がくる。

北見峠登頂!

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chikaさんとSさんもほどなくやってきた。

後は、少しでも休憩時間を稼ぐため上川のPC7まで下るだけだ。


下っている最中、また眠気とハンガーノックのような症状が出てきたので止まって氷水をかぶり、持参した蜂蜜スティックとブドウ糖を口に入れる。


自分は眠い時、氷水をかぶるとリフレッシュ出来てまた走れるようになる。

また蜂蜜スティックとブドウ糖は本当に即効性があって助かる。


高速が出る下りの最中なのでそれでも安全を期すために5分ほど休み、それからまた飛ばすとちょうどPC7につく頃メイン集団に追いついた。


PC7 14:50着 クローズドは 15:28。


スタッフのかたがいらっしゃったので、花ちゃんのDNFの連絡があったか尋ねるもまだないとのこと。

いやな予感がする。

道の駅で相当具合が悪くなったのだろうか?


誰かが30分でも寝ると随分違うからまだ走っているのかもしれないと言うが、あの北見峠に向かって走っているとは到底考えられない。

たとえ向かっていても間に合うわけないのに。


PBP完走者達がこんなに苦労した道のりだから、花ちゃんには無理だ。


とにかく無事を祈ってクローズぎりぎりまで休んで出発することになった。

15:18頃のことである。


バイクにまたがり右脚のクリートをペダルにはめた時、その時。

目の前にピンクの物体が飛び込んできた。


亀太郎ジャージを着た花ちゃんが凄い勢いでPCに飛び込んできたのだ。


最初何が起きたのかよく理解出来なかった。

なぜ花ちゃんがここにいるのか分からなかった。

皆も同じだったのかポカンと花ちゃんを見つめるだけで誰も声を発しない。


花ちゃんもよほど緊張感をもって急いできたのか、その怖い顔のまま固まって皆をただ見詰めている。


自分が最初に

「クローズが迫っているんだ。早くレシートを」

と言うとHさんが

「何か、何でもいいからとりあえず買って来なさい」

と優しい声をかけてくれた。


花ちゃんもはっと我にかえったみたいに自転車を降りてコンビニの中に入っていった。


奇跡が起きたのだ。

奇跡と言っては頑張った花ちゃんに失礼か?


いややっぱり奇跡だろう。

体力的にも精神的にもよく耐えてここまで頑張ってきたものだ。


普通の状態ではない。

何度も言うが寝ずに400km走って後である。

最終集団から別れ丸瀬布の道の駅で30分ほど休んだらしい。

それから一人でだれも参加者のいない正真正銘の最後尾を、あの灼熱の北見峠を越えてクローズド8分前に間に合わせたのだ。


見上げた精神力だ。


こんな強い精神を持っている人に、自分は可哀想だの一蓮托生だの見捨てただの、なんて自分勝手で的外れで失礼なことを思ってきたのだろうか。



この人は誰も助けもなく自分自身の力でやり遂げる人だ。

また花ちゃん自身もそれを望んでいるのではないか。


胸の奥が熱くなって、次は眼の奥が熱くなってきた。

やばい!


予定どうりY田さん達は出発するみたいだ。

自分は花ちゃんと一緒にいくかちょっと迷ったけど、もう花ちゃんはそういう気遣いはいらないような気がした。


本当に花ちゃんに手助けが必要ならばY田さんが言ってくれるだろう。


自分もY田さん達と一緒に出かけることにした。

花ちゃんは必ず次のPC8まで来るとの確信があった。

それほど北見峠越えは、奇跡的なことだったのだ。


PC8までの道は、それほど大変ではない。

下り基調で進み最後にちょっとアップダウンと最後に塩狩峠という小峠があるだけだ。


ところがchikaさんの具合がやはり悪いらしい。

Y田さんとSさんがchikaさんについて、bongoさんとHさんと自分が先行することになった。


3人になったとたん、bonngoさんの鬼引きが始まった。

まるで今までの走りは仮の姿であるかのように。

和寒前のアップダウンをグワングワン力強いペダリングで越えていく。

Hさんもそれに付いてペースアップする。

自分も意地で付いて行く。


案外脚が回るのに嬉しい驚きを感じた。

ダンシングもまだまだ充分可能だ。


このまま付いてPC8まで行こうかと思ったが、やはりまだ100kmもある。

未経験ゾーンを走っているので、今ちょっと調子が良いくらいで脚を終わらせてしまっては元も子もない。


離脱して自分のペースで進むことにする。

塩狩峠でmarioさんが写真をとっていた。

この方もPBP組だ。


なぜこんなギリギリ隊にいるのかわからないがブログで結構やられたと書いてあったので、やはり疲れたのであろう。

結構過酷だったんだよ、今回の大雪600は!


PC8着 17:19。クローズド 18:16。


PC8ではY田さん達と花ちゃんを待ちながらゆっくりとした。

marioさんが冷やしうどんを食べていて、美味しそうだったので自分も買って食べた。

Hさんは気持ち良さそうに寝ている。

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そのうちY田さん達が着いた。ほどなく花ちゃんも来た。

Y田さんから、HさんのGPSが壊れたので先導して二人で先に出てくれないかと頼まれた。

それはもちろん構わないのだが、やはり花ちゃんのことが気にかかる。

もう大丈夫だと思っていたが、今入ってきた時の顔を見るとそうとうやられ感が出ているような気がしたからだ。


そこでY田さんに花ちゃんと一緒に行ってくれないかと頼むと、そんなことは先刻承知でもう花ちゃんに言ってあるとのこと。

さすがY田さん!


やったー!これで安心。

Y田さんと一緒に走れるのならあと90km、なんとか完走できるだろう。

それにしてもここまでこれたのは、花ちゃん自身の力だ。

本当に凄い娘だ。


自分はここまできたら絶対に完走するつもりだし、自信もあった。

Hさんを引くという大業が課せられたが、それもいい刺激になって眠気覚ましになって良いかもしれない。


飛ばした。PC9までもう脚も折れよとばかりに踏むし回すし。

しかし、Hさんもぴたりと付いて離れない。


この区間は延々のそば畑。

群青色の空と夕日と白い蕎麦の実。

実に美しいところだった。

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間違ってPC間の距離が40kmだと思って飛ばしたのだが、実際は60kmあると分かって最後の20kmはタレてしまったが、良いペースで沼田PC9着。


PC9着 20:57 クローズド22:16

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残り30kmで貯金が1時間20分ほど。

ここからゴールまではほぼ平坦。

よほどのことがないかぎり完走が見えてきた。


ここまで来たら、危険を犯してまで飛ばすのは愚の骨頂とゆっくり行くことにした。

Hさんもそれで良いとのこと。


暗闇の中どこまでも続く一本調子の道を20km/hほどで淡々と進む。


そして22:44 ゴール。

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体調不調でDNFしたチコリンさんがスタッフとして手伝っていた。

偉いね。

ちこりんさん、美味しいコーヒーありがとうございました。


早く着いてた健脚の亀太郎の男の人が、心配そうに花ちゃんを待っていた。

いったい何時間待っているんだ?

偉いね。


チコリンさんから、PC9を充分間に合う時間にY田さん達と花ちゃんが出発したと連絡があったと聞かされた。


それは聞かなくても分かっていた。

あの北見峠を一人で越えてPC7でY田さんと会ったその時に運命は決していたと思っている。


その運命を手繰り寄せたのは、花ちゃんの精神力と頑張りだ。

たぶん辛かったと思うよ。自分が想像するよりずっと。


花ちゃん達の到着を待つかどうか随分迷った。

Y田さんにお礼をいいたかったし、花ちゃんにも一言おめでとうと声をかけたかった。


しかし、その時自分の感情をコントロール出来る自信がなかった。


だからさっさと江部乙の温泉宿に帰って風呂入って寝てしまった。


朝起きてから気付いた。

そう言えば自分も完走してSR取得出来たんだと。

すっかり忘れていた。


Y田さん、そして一緒に走っていただいた皆さん。

本当にありがとうございました。


Y田さん、花ちゃん完走できて良かったですね。

Y田さんの北海道を一人でも多くの人が楽しんで、出来れば完走していってもらいとの思いが今回天に通じたのだと思います。


花ちゃん、おめでとう。

また機会があったら一緒に走って下さい。


だけど、今度会うときは、恐ろしい健脚姫になっていそうで嫌だな。

その時は知らんぷりしようっと。


こうして僕の北海道 大雪600kmは無事終了した。





ブログ、どうしてこんなに長くしたの?


あっ?優子?いたんだ?


いたんだじゃないわよ。

4日間もほったらかしにされて、バッテリーあがっちゃったじゃない!

どうしてくれんのよっ!


そうか、ごめん・ごめん。

でも、ついに600完走したぞ。

思えば厳冬の雪道を優子と飛ばして関東のブルベに毎週通ったよね。


ふん、そうでしたかね?


そうさ、優子のお陰もあって目標のSRを取れたんだぜ。


よかったねー、なによ!花ちゃん、花ちゃんって馬鹿のひとつ覚えみたいに。


あれ~? 優子、妬いてるのぉ~?


ばっかじゃないのっ!!!!











BRM803大雪と花ちゃん その3

陸別の道の駅で仮眠をとることになったのだが、もうランドネ達で満員御礼。

スタッフがこっそり用意してくれた段ボールも、もう残っていない。

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するともう出発するからと一人の方が段ボールを譲ってくれた。

さて二人で段ボール一つ。

どうするか?


この状況では段ボールは花ちゃん、自分は地面コンクリートじかに寝るしかないか。


やれやれ、地面直寝はいつ以来だ?

ネパールでヒマラヤ・トレッキングの途中で行き倒れて地面に寝て以来か。


と、ここで花ちゃんが助け舟を出してくれた。

花ちゃん寝袋を持ってきているので、段ボールは僕が使ってくれと言うのだ。


またここで花ちゃんに対する認識を改めた。
 

仮眠場所を想定して寝袋を持ってくるなんて中々出きることではない。

考えてみれば、寒暖差の激しいこのブルベ、そして深夜ライドのためのライトなどしっかり考えられて装備してきてるし、自分の力でここまで来てそして僕に段ボールを譲り自分は持参した寝袋で寝ている。


立派なもんである。


それにしてもいくら寝袋といってもコンクリ地面に直じゃ、痛いし寝れないだろうなと思っていたら、次に出発する人から花ちゃんが段ボールを貰っている声を聞いた。


夢か真かどっちかなと思っているうちに非情にもスマホから出発時刻になったことを告げられた。


休憩実質30分?

こりゃあ、お互い悩むこともなく仲良くDNFかなあと覚悟した。


一足先に起きていたbongoさんに二人は遅いので先に出ることを告げ、3時40分頃陸別を出発。


外の気温は10度。体感は5度。霧が充満してて視界10m。

レインジャケットとレインパンツ、それに長指グローブで走りだした。

パールイズミの長袖防風インナーは使わずじまいだったが、これを持っている安心感には変えられない。

冬の関東のブルベで何回これに助けられたことか。


あまりに時間がなかったので二人とも朝食を食べてない。

しかたないので走りながら食べようと足寄で買ったおにぎりやらパンをモグモグ食べる。

花ちゃんも器用に走りながらもぐもぐ食べている。


立派なランドネですよ、花ちゃん君は!


ところがここでついに眠気の魔女が僕に君臨してきた。

深い霧の中、単調な景色と道路をゆっくり進む二人。

眠くならないほうがおかしい。


そこで今回初めてといっていいのだが花ちゃんと色々話をすることにした。


去年からブルベを初めて先月やっと富士大廻りで400を完走したこと。

今回のブルベが初600で、一応SRがかかっていること等。


このSRの一言を聞いて花ちゃんの声が一変した。


SRがかかっている大事なブルベでこんなところで私にかまってないで先にいけというのだ。


そう言われても行きたくても行けないほど眠かったし、とにかく一緒に留辺蘂まで行くことにした。僕の方が一緒にいて欲しかったのだ。


留辺蘂までの道のりは、アップダウンがきつくまた小峠みたいのもあって眠い自分はスピードが上がらない。

花ちゃんに何回か休憩をお願いする始末。

むしろ花ちゃんに迷惑をかけている状態だったと思う。

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355km留辺蘂PC5には7時頃到着。クローズドは7:40。

ここでまたY田メイン集団に吸収される。


Y田さんは、ここまできたら次の遠軽まではたいしたことないからクローズド近くまで休むということである。


花ちゃんは寝袋等いらなくなった荷物をコンビニから自宅へ送って身軽になる準備をしていた。

ふむふむ、これも大したものだ。

少しでも軽くして巡航速度を上げるのは賢い選択だ。


自分も防寒雨具等を収納して灼熱ライドに備える準備をしている時に気づいた。


輪行袋がない!


確か陸別に着いた時はあったので、たぶんそこで落としたらしい。

これは神様が、なんとしても完走しろと言っているのか。

もう退路は絶たれた。後は前に進むのみ。


花ちゃんの準備が終わるのを待って先に二人で出発する。 

僕には怖くてクローズぎりぎりまで休むことは出来ないからだ。

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ただ出発してからも、花ちゃんは先に行けとうるさい。

私のせいでSRを駄目にしたくないから、お願いだから先に行けと繰り返す。


その言葉に甘えたわけじゃないが、金華峠を越えてからは長い下りがある。

ここで少し飛ばして、アドバンテージを作ってから少し仮眠したかった。


そこで言われるがまま先を急ぎ途中のホテルバス停で10分間の仮眠をとった。


さわやかな風が頬を撫でる。

ラベンダーの香りが鼻をくすぐる。

子どもたちの笑声が近くなったり遠くなったり・・・。


今僕はどこにいるのだろう?

この優しい満ち足りた気持ちはどうしたんだろう?

その時・・・


ジリリリリリリリーーーーー!!!!!!! 



過酷な現実に戻される非常なスマホの黒電話サウンドが耳元で鳴り響く。


寝たぁ!
 

恐ろしく深い眠りを経験した。

陸別から頭にしつこくかかっていた霧が嘘のように晴れた。


残りの下りをまた飛ばして392.7km地点、遠軽PC6には9:18分着

クローズドは10:12。

花ちゃんはしっかりすでに着いていた。


先に行ったはずなのにいないから心配してたと少し恐い目で睨まれた。

ふ~ん、花ちゃん結構良い奥さんになるかも。


ここからは最後のラスボス北見峠、標高857m。

次の上川PCまで78km。

これをクリアすれば完走の文字がちらついてくるであろう。


しかしY田軍団はここでもたっぷり休憩をとるという。

おそらくメンバーの体調を考慮して決めているにちがいない。

こちらも花ちゃんの顔色を眺めると決して良好とは言いがたい。

花ちゃんにとっても同性のchikaさんが一緒だと心強いに違いない。

そこでY田軍団と一緒に行動させて貰うことにした。


9:50分頃出発。


もうアドバンテージはないも同然。

この北見峠の長い道のりは、パンクや仮眠も許されない、本当にギリギリの勝負所になるはすだ。

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なるはずなのだが、峠への緩いアプローチをきわめてゆ
っくり進む軍団。

え~~!こんなにゆっくり進んで間に合うの?

と思ったが、ブルベの神様Y田さんが判断を間違うはずがない。

信じよう!


もう完全に任せた。

ブルベをやってから初めて他に全てを委ねた。

いやあ、委ねてみるとこれが楽。

いままで肩肘張って計算して考えて気を配って・・・色々やっていたのが、ただ何も考えず付いて行けばいいのだから、こんな楽でいいのかと思うくらい。


ただ日が昇るにつれ暑さが酷くなってきた。昨日より暑いのは間違いない。

Sさんが消耗した顔つきで停まり、先に行ってくれと合図する。


えっ!?

百戦錬磨のSさんが?

PBP完走者がここでDNF?


そしてあろうことかY田さんまでが停まり先に行け合図を!


ちょっと待ってくれ!

僕はY田さんに全てを預けたのに、Y田さんいなくなっちゃたらどうするの?


これにはビビった。

あわててQシートを引っ張りだしてスマホ電卓で残り距離と時間の計算をする。
それも走りながら。


そのうちにSさん、すごい勢いで集団に戻ってきた。

いやあ、眠くて暑くてぼーっとしてねとのこと。


自分だったらあんなに差がついてしまったら戻れないな、この登りじゃ。


花ちゃんでも無理じゃないかな?


あれ?
 

花ちゃん?


いない花ちゃん!!!


いつのまにかいなくなってる!!!!


その時Y田さんが集団に戻ってきた。


聞くと花ちゃん調子悪そうで無理かもしれないとのこと。

ずいぶんと距離が離れたらしい。
 


えええええ!!!???





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